先延ばし癖が治らない方は「エメットの法則」を知れば改善できるかもしれません。
先延ばしによって多くの人が時間を無駄にし、本来は必要のない労力を使っています。
この記事では、「エメットの法則」とは何か。先延ばしのデメリットと改善方法を紹介します。
エメットの法則とは
タイムマネジメントの専門家のリタ・エメットは自身の著書「いまやろうと思ってたのに… かならず直る―そのグズな習慣」で、この法則を提示しました。
- 先延ばしにすると、すぐ仕事をこなすよりも多くの時間とエネルギーが必要になる
- 完璧主義が先送りの原因である
それぞれ解説します。
先延ばしにすると、すぐ仕事をこなすよりも多くの時間とエネルギーが必要になる
エメットの法則の1つ目は、先延ばしにすればするほど、完了までに使う労力が増えるということです。
先延ばしすることで、なぜ労力が増えるのでしょうか。
理由1.タスクを覚えておく必要がある
理由2.精神的なストレス
理由3.本来不要だったはずの手間が生じる
理由1.タスクを覚えておく必要がある
複数のタスクを抱えた状態は、そのタスクを覚えておく必要があり、脳のワーキングメモリを使ってしまいます。
結果として、脳のパフォーマンスが発揮できず作業効率が低下します。
理由2.精神的なストレス
億劫になるタスクを常に頭の中に抱え続けることで、精神的なストレスがかかります。
ストレスを抱えた状況では、一つのタスクに集中することができず、作業効率が低下します。
上司への報告やクレーム対応、複雑な報告書の作成。。。
面倒なタスクがたまった状態では、脳のパフォーマンスが落ちても仕方ありません。
理由3.本来必要のないの手間が生じる
タスクの着手が遅れ、期限のギリギリになることで、上司や顧客への報告、遅延したことの謝罪など、本来必要のないはずの手間が生じます。
また、中途半端に作業をこなしてしまうと、再開するときに「どこまでやったけな?」といった確認や、作業のやり直しも必要になります。
「タスクを抱えすぎて、大事な要件を忘れていた。。」
「早く言うべきだけど、叱られるのが億劫。。」
「着手が遅れたせいで収拾がつかず、お客さんに謝罪。。」
このような経験はきっと皆さんにもあるのではないでしょうか。
良くないと分かってはいるけど、ついついやってしまう先延ばし。
エメットの法則では、先延ばしの原因は完璧主義であるとしています。
完璧主義が先延ばしの原因である
先延ばしが大損であることは分かりました。
そもそもなぜ、先延ばしをしてしまうのでしょうか。
エメット法則の2つ目は、「先延ばしの原因は完璧主義である」です。
完璧主義者は失敗を恐れるあまり、はじめの一歩目がなかなか踏み出せません。
そのため、行動を起こす前に、情報を網羅的に収集し、必ずうまくいく方法を検討します。
これだけで、多くの時間を使いそうですが、同時に失敗するケースもたくさん想定してしまうため、結局、失敗が怖くなり手を付けられないのです。
「自分の失敗を認めたくないから、上司に報告したくない。。」
「失敗したら自分が責任を取らないといけない。。」
こんな思考も完璧主義の特徴といえます。
たくさんの情報を収集しても行動を起こさなければ、結局“ただのノウハウコレクター”です。
先延ばしの改善方法
エメットの法則により、先延ばしのせいで、多くの時間を犠牲にすることが分かりました。
「時間の無駄!」を意識するだけでも、先延ばしを防ぐ一つの思考法なりそうです。
続いて、先延ばしを改善させる思考法を3つ紹介します。
完璧より完了を目指す
エメットの法則では、完璧主義が先延ばしの原因につながるとしていました。
では、完璧主義的な考え方を改めるにはどうすればよいでしょうか?
学校のテストと違って、実際の社会ではほとんどの場合、100点は求められません。
それよりも、80点程度でより速く物事を解決することの方が重要です。
100点を目指すことは、相手の要求を満たすことではなく、自己満足であるケースがほとんど。
100点を目指さないといけないという思考は、結果として手を付けることを遅らせ、先延ばしにつながります。
逆に80点でもいいや。という思考は失敗を許容することでもあります。
そうすれば、自ずとすぐに手を付けることができるようになります。
子供のころを思い出してください。どのようにして自転車に乗れるようになりましたか?
何度もトライして、転んで、怪我をして乗れるようになったはずです。
一度も転ばないように物理の勉強から始めた人はいないでしょう。
大人になるにつれ失敗を怖がってしまうものですから、完璧よりも完了を目指す意識づけが大事です。
スモールスタートする
2つ目は小さく始めてみることです。
いきなり「2時間頑張ろう!」としても、億劫になるのは仕方ありません。
とりあえず「5分だけ頑張ろう!」という姿勢で始めてみましょう。
このとき、一番簡単なものから始めれば良いです。
人間は一度着手すれば、徐々にやる気が出てくるものです。
5分すれば作業のリズムがうまれて、しばらくは続けられるはずです。
はじめてみたら意外と簡単ですぐに終わった。ということになるかもしれません。
感情と行動を切り離す
3つ目は感情と行動を切り離すことです。
これはとても難しいことですが、うまく仕組みを作って実践したいですね。
おすすめはTODOリストを作成すること。
こんな方向け 時間管理が苦手で、思うように仕事が進まない 効率を上げて、残業せずに家に帰りたい 仕事が早い人の時間管理術が知りたい この記事では精神科医の樺沢紫苑先生が考案した「樺沢式TO[…]
TODOリスト作成したら、あとは感情を切り離してリスト通りに行動するのみ。
やるべきことが明確になっていれば、「次に何をしようか」と考える必要もなくなり、余計な感情が入りにくくなります。
感情が入る余地をなくす工夫を考えてみましょう。
例えば、周囲を整理整頓する。スマホを近くに置かない。といった方法も良いでしょう。
まとめ
エメットの法則とは何か、先延ばしすることのデメリットと先延ばしの改善方法を紹介しました。
先延ばしのデメリットがいかに大きいかを、理解いただいたのではないでしょうか。
先延ばしによって、多くのいらない時間と労力を使っています。
案ずるより産むがやすし!
先延ばしの原因となる完璧主義な考え方を捨てて、失敗を怖がらず、まずは小さく始めていきましょう。
読者の皆さまの自由時間が少しでも増えれば幸いです。