- 簿記に興味はあるけど、そもそもどんなスキルなのか良く分からない
- 簿記を勉強するメリットを知りたい
- 簿記3級を短い勉強時間で効率的に取得したい
筆者のSABORIは、簿記3級資格を2021年2月に取得しました。
勉強時間は約1ヶ月(40時間程度)
このときは比較的、難易度が低く満点合格でした。
いまでは、仕事とプライベートともに簿記のスキルがとても役立っています。
30歳を過ぎて取得した私は「もっとはやく簿記を勉強しておけばよかった・・・」と後悔しています。
この記事を読めば、
・簿記の概要と学ぶメリット
・簿記3級の効率的な勉強方法
が分かります。
簿記ってどんな資格?
簿記のことが良くわからない方は、まずは簿記がどんなものなのかを、ざっくり理解しておきましょう。
簿記は会社の「家計簿」をつける技術!
簿記は“帳簿記入”の略。
読んで字のごとく、“帳簿”に“記入”することです。
“帳簿”とは、取引やお金のながれを記録した台帳のことで、家庭における家計簿や小遣帳のイメージです。
ちなみに、企業であつかう簿記は“複式簿記”という形式です。家計簿は“単式簿記”
一般に簿記とは、“複式簿記”のことを指します。
企業では、資産の状況やお金のながれを正確に把握する必要があるため、複式簿記は少し複雑ですが、間違いが起こりにくい形式になっています。
複式簿記はこんなやつです。
(例:商品が1,000円で売れて、代金は現金で受け取った)
借方 | 貸方 |
現金 1,000 | 売上 1,000 |
簿記を勉強する理由
簿記を学ぶと、どんな良いことがあるのでしょうか。
- さまざま仕事に活きるコスト感覚が身につく
- 就職や転職に有利になる
- 他の資格を学習する際の基礎になる
- 会社設立や独立のときに役立つ
- 家計管理や資産運用で簿記の考え方が活きる
社会人の方ですと、会社の経理担当者と話すときに「前受け?」とか「買掛け?」とかならずに済みます。。
個人事業主やフリーランスの方なら税理士に頼まずとも、ある程度までなら自分で仕訳して確定申告までできちゃいます。(SABORIも一人でやってました)
なお、就職や転職に有利になるのは、職種や企業によりますが、簿記2級以上の場合が多いです。
簿記3級は一定の評価につながるかもしれませんが、就職や転職を目的とした取得はお勧めしません。※簿記3級はあくまで基本です。
簿記の知識をしっかり活用して、次のステージに進んでいきたいですね。
簿記資格試験の概要
次に、簿記資格とはどんなものかを確認していきましょう。
簿記資格の種類
実は簿記資格は「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」の3種類があります。
一般に簿記資格といえば「日商簿記」を指します。
この記事の対象は「日商簿記」の3級です。
- 日商簿記 日本商工会議所主催。簿記3級の年間受験者は20万人を超える。
- 全商簿記 全国商業高等学校協会主催。商業高校学生向け。日商簿記より難易度が低い。
- 全経簿記 社団法人全国経理教育協会主催。経理や会計の専門学校学生向け。
日商簿記資格の種類
さて、「日商簿記資格」にも複数の試験があります。
- 簿記初級 簿記初心者向け。複式簿記の基本的な仕組みや用語が理解できる。
- 簿記3級 商業簿記の基本的なレベルを習得できる。
- 簿記2級 商業簿記+工業簿記。3級と比較し難易度が格段にあがる。
- 簿記1級 税理士や公認会計士などの国家資格の登竜門
日商簿記は“3級”より難易度の低い“初級”が存在しますが、“3級”からの取得をおすすめします。
初級レベルの理解は、後に紹介するテキストを読むくらいで十分です。
わざわざ試験を受ける時間がもったいないので、コスパを意識し、3級からはじめましょう。
なお、3級を飛ばして2級から始める方もいますが、近年は難易度があがっており、かなりの勉強時間を必要です。
経理畑で活躍するために、本気で勉強されたい方は良いですが、社会人の基礎知識を得るためなら、3級から学習されることをおすすめします。
日商簿記3級の概要
簿記3級の試験概要を解説します。
- 試験科目 商業簿記
- 出題問題数 3題以内
- 試験時間 60分
- 合格基準 70点(100点満点)
- 合格率 近年は50%前後
- 試験日程 6月、11月、2月の年3回
- 試験方式 ペーパー試験・ネット試験から選択可
- 申込方法 最寄りの商工会議所ホームページから申し込み
- 受験料 2,850円(税込)
※2021年度から出題問題数、試験時間が変わりました。
出題問題数 5題→3題に変更
試験時間 120分→60分に変更
2021年度からの出題数と試験時間が変わっています。
試験時間が私が受けたときは120分でしたが、半分になっています。
簿記3級を1ヶ月で合格した勉強方法
ここからは、私が実際に1ヶ月で合格した勉強方法を解説していきます。
そもそも、独学で可能なのか
簿記3級は独学で十分取得可能です。
実際、ほとんどの方が独学ではないでしょうか。
一般に勉強時間の目安は50~100時間程度といわれます。
しかし、重要なのはしっかりと簿記の仕組みを理解して活用することですから、時間にとらわれすぎないようにしましょう。
なお、簿記は少し癖のある技術であるため、人によって理解に時間がかかる場合があります。
- 【独学のメリット】
- 学習計画を自分で立てられるため、学習の自由度が高い。
- 節約できる。
- 学習効率が悪い。
- モチベーション維持が難しい。
【独学のデメリット】
自由に時間を決めて勉強できるのはいいですが、一歩間違えれば、間延びしてしまい、デメリットの2点につながる可能性もあります。
このデメリットをどうカバーするかが、独学における重要なポイントです。
学習の心構え ~暗記 or 理解~
暗記 or 理解。
どのような目的で資格を取るかによりますが、簿記3級は暗記よりも理解重視で学習したいです。
簿記3級は暗記重視で十分取得できますが、応用が利かなくなります。
特に簿記3級は就職や転職時の評価にはそれほどつながらないので、何のために資格を取得したのか分かりません。
簿記2級などの他の資格の基礎になるため、しっかり応用できるように理解重視で臨みましょう。
暗記が不要と言っているわけではありませんので、ご注意ください。
簿記は暗記する事が多いのも事実です。
勉強方法と使用するテキスト
私が簿記3級を1ヶ月で合格した勉強方法と、使用するテキストを紹介します。
【】内に私が実施した際のおおよその所要時間を書いています。参考にしてください。
- STEP1 簿記の初心者向けテキストで簿記の基礎を理解 【6時間】
- STEP2 テキストをざっくり1巡 【6時間】
- STEP3 テキストをしっかり1巡 【10時間】
- STEP4 問題集でひたすら解く 【16時間】
- STEP5 試験に向けた自分用のメモを作成 【2時間】
【所要時間合計 40時間】
STEP1 簿記の初心者向けテキストで簿記の基礎を理解 【6時間】
簿記の基礎はすでに理解している!と自信を持って言える方はこのSTEPは不要かもしれません。
まずは初心者用のテキストを読んで簿記の基礎的な理解を深めましょう。
まずはこの本を1回読み、簿記の基礎を理解します。
途中で簡単な問題も出てくるので紙に書いて解いてみましょう。
STEP2 テキストをざっくり1巡 【6時間】
ここから簿記3級の専門テキストを使用します。
まずは、深く理解せずとも、1巡して簿記3級の試験範囲の全体像をつかみましょう。
私はこのタイミングで気になったところに付箋を貼りました。
※2021年度から試験形式が変わっているため、テキストは必ず最新のものを使用しましょう。最新のおすすめはコチラ↓
複数の参考書の使用はおすすめしません。
1冊に書かれた内容をしっかり理解できるようにしましょう。
STEP3 テキストをしっかり1巡 【10時間】
STEP2で使用したテキストをもう1巡します。
今度はしっかり理解することに重点を置きましょう。
1巡目で全体像をつかんでいるので、理解が深まります。
STEP4 問題集でひたすら解く 【16時間】
実戦形式で問題集を解きます。
※2021年度から試験形式が変わっているため、問題集は最新のものを使用することおすすめします。また、2020年度以前の過去問集ではなく、最新の試験に対応したものにしましょう。最新のおすすめはコチラ↓
実戦形式で行うために時間を計っておきましょう。(模試を行う)
はじめは、時間オーバーするかもしれませんが、最後まで解いてみましょう。
慣れてくれば徐々に早く解けるようになります。
何度かやると自分の間違いパターンが見えてくるので、そこを改善しましょう。
そして、単純に凡ミスなのか、理解が足りないのかを切り分けて、対処します。
凡ミスなら専用のチェックリストを作って意識するようにし、理解が足りていないのであれば、テキストを読み返しましょう。この点は後述の「間違いリストを作ろう!」で補足します。
私の場合、問題集には10回分(過去問と予想問)が載っていましたが、うち7回分を行いました。
なお、2021年度から試験時間が60分になっていますので、模試の回数は単純に比較はできません。
もっとたくさん出来ると思います。
STEP5 試験に向けた自分用のメモを作成 【2時間】
ここまでやれば試験に必要なポイントが見えてきます。
試験直前にテキストを一から見ても仕方ないので、大事なところをまとめたメモを作っておきます。
所要時間は【2時間】もかからないかも。
- 私の場合は紙1枚に以下の内容を書いて試験当日に持っていきました。
- 試験中の時間配分
- 自分が間違えやすい問題の対策
このメモは自分に合った形で作成してみてください。
鉛筆はあるか?とか、消しゴムはあるか?みたいな持ち物のチェックリストがあってもいいかもしれません。
私の場合、試験日の1ヶ月(4週間前)から始めました。学習期間を長くとりすぎると、かえって間延びして、せっかく覚えた内容が定着しないと考えたからです。また期間が長すぎると、モチベーション維持も難しくなります。勉強時間と期間の両方から考える必要があります。個人差が出るところですが、簿記3級であれば、おおむね4週から6週くらい前が良い塩梅だと思います。
間違いリストを作ろう
間違いや凡ミスは対策をリスト化しておきましょう。
- 問題文書いてある会計期間をしっかり確認すること
- 貸し倒れが発生したら。まずは貸倒引当金を取り崩すこと
- 固定資産の売買手数料は付随費用に該当するため、固定資産に含めること
- 決算整理時に期中に取得した固定資産の原価償却を忘れずにおこなうこと
- 仕入れ諸掛りは仕入れに含めること
など
まだ勉強されていない方は、意味不明だと思います。。
勉強を進めていくうちに、「確かに!」になるかもしれません。
勉強時間を記録しよう
時間を気にせずだらだらはNGです。
勉強時間を記録し、短期集中で臨みましょう。
時間に対する効果を意識すれば自然と学習の密度も高まります。
簿記のお供。電卓
簿記の試験は電卓が早く打てるとかなり有利です。
2021年度試験からは時間も60分になっていますので、なおさら。
使いやすい電卓を持っていない方は勉強を始める前に買っておきましょう。
また、勉強中はその電卓を使うことで、電卓に慣れておきましょう。
空き時間はアプリで仕訳
補足です。
空き時間があれば、アプリを使って仕訳の練習や勘定科目の暗記をされることをおすすめします。
仕訳の仕組みを覚えたら、ひたすら数をこなして慣れていきましょう。
「簿記3級 仕訳」などで検索すればいろいろアプリが出てきますので、試してみてください。
まとめ
簿記の概要から勉強法までご紹介しました。
簿記3級は独学で十分合格ができます。
勉強時間は1ヶ月程度(4週間から6週間程度)とし、短期集中で臨みましょう。
簿記は社会人の基礎スキル。資本主義社会を生き抜くために、ぜひ勉強しておきたいですね。
今回の記事が少しでも、皆様のお役に立てれば幸いです。